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ASDの特性と問題点

自閉症スペクトラム

趣旨 写真

広汎性発達障害は、WHOの診断基準ICD10によると、自閉症、自閉症(小児自閉症)、非定型自閉症、レット症候群、アスペルガー症候群など8つの診断に分かれます。社会性や他者とのコミュニケーション能力に困難が生じる障害で、先天性の脳機能障害により認知障害を引き起こすとされていますが、具体的な発症メカニズムについてはまだ不明です。少なくとも親,特に母親の子育ての失敗が原因ではないことは分かっています。
そして30年程前から知的障害のない発達障害が社会に認知されるようになり、最近では自閉症スペクトラムという虹のように境界が曖昧な疾患群として認識されるようになりました。学習障害 (LD)、注意欠陥・多動性障害 (ADHD)、高機能広汎性発達障害(高機能PDD)、アスペルガー症候群などが含まれており、基本的に明らかな知的障害を伴わないとされます。しかし障害度合自体が「軽度」であるとは限らないにもかかわらず、自閉症という名称では誤解を招くことから、現在では便宜的に「(軽度)発達障害」として扱われるようになりました。これら障害は単独であることもあるが、オーバーラップしていることも少なくありません。

発育期の特徴

1)対人関係の発達の偏りと遅れ

まわりの人との関係がつきにくく,視線も合いにくい。他人の行動に興味がないように見え、一人遊びが多い。自分がしたい時だけ、要求してくる。幼稚園や学校での集団活動が苦手で、フッと集団から離脱する。自分の思い通りに遊んでいるときは、友だちとも遊べるが、思い通りにならなくなると、途端にかんしゃくを起こしたりする。

2)コミュニケーションの発達の偏りと遅れ

話し言葉の発達が遅れる。満2歳になっても言葉がなかなか出なかったり,始めても語彙なかなか増えない。また話し言葉以外のコミュニケーション手段,たとえば身ぶりや表情などを理解し適切に使えない、冗談が通じ難く、人の心の内を推測することができない。

3)反復常同行動を伴う想像力の発達の偏りと遅れ

想像力が必要なごっこ遊びが苦手。小さい頃からマ-クや記号・アルファベット・数字に興味をもち、テレビはコマ-シャルや天気予報だけがすごく好きだったりする。特定の品物や手順への執着や、極端な興味のこだわりがあります。たとえば、電車の型番や時刻・エレベーターボタン・道路標識・数字・CMへの執着、物並べ(一列にまるで機械が並べたように並べる)で、子どもによってこだわりの対象はいろいろ。例えば,同じ所には同じ道順でしか行こうとしない。物を決まった位置にしか置こうとしない。どこに行くにも絶対に手放さない物がある等の強迫的な反復性の同じ行動を取る。

4)付随症状

大人の発達障害

趣旨 写真

発達障害支援に関しては小学生や中学生などの子どもの問題に重点がおかれていました。しかし発達障害が少しずつ認知されるようになってからは、青年期や成人期以降に発達障害と診断される事例も多くなってきました。そもそも大学及び大学院まで進学したケースでは、何らかしらの方法で自身の発達障害に対する自衛手段を取っていたり、学業においては健常者よりもむしろ優秀な成績を収めるケースも少なくなく、問題にされないまま放置されていました。しかし教育現場に障害を持つ学生が増加してきたことから、最近の大学では修学、就職活動支援などの取り組みが行われるようになりました。
最も問題なのは未診断、未支援のまま卒業し、社会人になってしまうケースです。社会に出た途端に急激に馴染めなくなり、職場を追われるなど行き場を失ってしまうことも多くなっています。本人が自身の障害に気づかないまま社会に出た場合、こうしたトラブルに戸惑ったり、自身がそのような障害を持っているということを頑なに否定したりして、問題を更に複雑にしていきます。自尊心を失い、引きこもりの一番の原因とも言われています。発達障害の特性は成人期になると薄れていくと言われることがよくあるが、実際には特性がほとんど薄れていないケースも多く、また、こうした認識が無理解に拍車をかけている側面もあります。