H事業所様より

「なぜ、施設支援(年間)が必要だったのか」

 当会が運営する放課後等デイサービスでは、数年前より障害のある中学生や高校生が卒業後、社会人として困らないために作業訓練やCST、SSTなどを行ってきました。その後、同じような小学生をお持ちのお母さま方から小学生も対象にしてほしいと強い要望があったため、2019年より小学生を受け入れるようにしました。ところが受け入れてみると、情緒面に課題があるお子さまが多く、スタッフ全員がひとりひとりの子どもたちとどう接していいのかわからないと悩んでいる状況でした。

「施設支援(年間)から生まれたもの」

施設支援(年間)では、まず実際の環境を一緒に確認し、また子どもたちが通所してから帰るまでの毎日の活動の流れ(日課)や個人の特性などを説明しました。その中で、まず子どもたち自身がわかるようにすることが必要とだとわかりました。スタッフ自身は支援プログラムなど一日の流れがわかっているけど、子どもたちは正しく理解していない。これが終わったら次に何をどこで行うのかわかっていないために、混乱しているのではないか。そこで、事業所全体の日課と子どもたちひとりひとりの日課を作成し、また、活動ごとに空間をわけて、それぞれに動物などの名称とイラストを掲示しました。指示も「ラッコに行って手を洗ってください」と具体的にすることで、子どもたちは「自分で」行動できるようになりました。また、入ってはいけない空間や触ってはいけないものを伝えるためには、教えるばかりでなくマークをつけたところ、多動のお子さんも入ることなく、また触ることなく過ごすことができました。「自分でできること」「自分からやらないこと」が自然と習得できたようです。このように施設支援(年間)を活用しながら、スタッフ自身が視覚的な工夫や子どもたちがわかりやすい環境づくりについて検討し、取り組んでいるところです。

 

事業所全体の日課

 

個人ごとの日課、荷物の置き場

 

部屋とイラスト、禁止マーク